病気やケガにより医療機関を利用した場合、国民健康保険を使うと実際の医療費の3割(会社の健康保険だと本人は2割、被扶養者は入院2割・外来3割)だけ負担すればよいことになっています(これを「一部負担金」といいます)。しかし、長期の入院や治療の内容によっては高額の金額となり、3割といってもその負担は大変です。そのような時に利用できるのが「高額療養費」制度です。これは医療機関に支払う「一部負担金」が一定以上になった場合、その超えた金額が支給される制度です。
[1]
同じ医療機関に支払った「一部負担金」が1ヵ月に63,600円を超えた場合、その超えた金額が「高額療養費」として支給されます(医療費が318,000円を超えている時は、その超えた金額の1%が63,600円に加算されます)。
[例A]入院して医療費がひと月の医療費が25万円かかった場合。
国民健康保険適用により3割負担となり、一部負担金は250,000円×0.3=75,000円となります。この時「高額療養費」制度を利用すると、75,000円−63,600円=11,400円が返金されます。
[例B]1ヵ月の医療費が50万円かかった場合。
国民健康保健適用により3割負担となり、一部負担金は500,000円×0.3=150,000円となります。この時「高額療養費」制度を利用すると63,600円+(500,000円−318,000円)×1%=65,420円となるので、150,000円−65,420円=84,580円が返金されます。
世帯の市民税が非課税の場合、この限度額は35,400円(かかった医療費に関係ありません)になります。したがって、[例A]の場合は75,000円−35,400円=39,600円、[例B]の場合は150,000円−35,400円=114,600円が返金されることになります。
[2]
同じ世帯で30,000円以上(非課税世帯の場合は21,000円)の「一部負担金」を1ヵ月に2回以上支払った場合、その合計額が[1]で説明した限度額を超えた金額分、「高額療養費」として支給されます。
[例]お父さんの1ヵ月の医療費が20万円、その子どもの医療費が10万円かかったとします。お父さんの一部負担金60,000円、子どもの一部負担金30,000円で、一人だけなら高額療養費の適用はできません。しかし、2人分が30,000円を超えているので、(60,000円+30,000円)−63,600円=26,400円が返金されます。もしこの世帯が非課税世帯なら、(60,000円+30,000円)−35,400円=54,600円が返金されます。
[3]
入院が長引くなどの理由から「高額療養費」を1年間に3回以上適用した場合、4回目以降の高額療養費の自己負担限度額は、非課税世帯24,600円、一般世帯37,200円となります。
[4]
世帯の所得金額が670万円を超える場合(会社の健康保険の場合は標準報酬月額56万円以上の人)は計算方法が異なります。この場合は、[1]で説明した限度額の63,600円が121,800円に318,000円が609,000円で計算されます。
[注意点]
*高額療養費に適用になる医療費は保険診療の対象となっているもの(3割あるいは2割負担でよいもの)で、差額ベッド代・金歯・入院の際の食事代などは対象外です。
*「高額療養費」制度は、「一部負担金」を一旦支払いその後申請することで、限度額を超える金額が支給される制度ですが、医療費が高額で「一部負担金」の支払いが困難な場合、「高額療養費支払資金立替制度(高額療養費の限度額を超える金額を無利子で立替える制度)」を利用できます。この制度を使うと、医療機関での支払は高額療養費の限度額だけですみます(会社の健康保険でも「高額療養費融資制度」があります)。地域などにより制度に多少違いがあります。
高額療養費のことや「立替制度」、「貸付制度」のことについての詳しいことは役所の健康保険課の窓口や病院の相談室(医療ソーシャルワーカー)などにたずねましょう。また、病院の領収書は大切に保管しましょう。
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