■ 情報は市民社会のために

 1995年の阪神・淡路大震災を経験して、私達はピラミッド型社会の脆さと、人と人がつくるネットワークの強さを知りました。それは情報についても同様です。情報の支配者であったマスメディアは、震災という非常時を生き抜いていくために必要不可欠なきめ細かな情報をほとんど提供することができず、被災地の外にニュースを流すばかりでした。その時、ある者は発電機と輪転機を持ち込み、ある者はFMラジオの送信機を自作して、被災者のための情報提供活動を思い思いにスタートさせました。それまで情報の受け手であった市民が主役でした。

■ 誰もが配信できるラジオ、ビデオ番組

 21世紀を迎え、情報をとりまく環境は急激に変わりました。インターネットが瞬く間に世の中に広がり、誰もが情報を蓄積、編集し、それを交信しあうことができるようになりました。ブロードバンドネットワークの普及により、音楽、ビデオ番組などこれまでラジオやテレビを通して得てきた情報がインターネット上で送受信できる時代の扉も開きつつあります。

■ 市民発のメディア"インターネット"

 ここで忘れてはいけないことがあります。ブロードバンドネットワークというと、ともするとマスメディアがこれまで時間や場所に縛られて提供していた情報がエンドユーザーのニーズに応じて配信されることの革新性ばかりが強調されがちですが、インターネットは何よりも市民のメディアです。100万人が50%満足するコンテンツを一方的に受け取るだけでなく、100人が120%満足できる情報を時空を越えて共有していくことで市民一人ひとりが手を結び、それが新しい社会を拓く礎になっていくからです。

■ 時空を越えて少数者の声、子ども達の眼を共有

 そうした市民による情報発信が高価な設備を持つことなくできる今、私達はインターネット放送局をより多くの市民の参画によって立ち上げることにしました。放送局というより、広場と言った方が良いかもしれません。マイノリティの声、子ども達の眼、生き生きとした市民活動の動きなど、新しいまち、社会をつくっていく中で大切な情報をブロードバンドネットワークによって市民が共有し合う広場、「WebActive.jp」はそれをめざします。