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ニッケイ新聞 2001年11月13日(火曜日)記事より抜粋

出稼ぎ子女に教育をー神戸から専門家7人―人格形成期に在る13歳が問題


11月13日(火)

 出稼ぎ子女教育に携わっているワールドキッズコミュニティ(吉富志津代代表、神戸市)の一行七人がこのほど来伯、日系人社会を視察し日本各地の日系人社会をつなぐネットワーク、ブラジルまでのネットワークをつくる基礎とする。
 同コミュニティーは出稼ぎ子女を対象に、家庭教師派遣、ラジオ番組制作、ポルトガル語の学習塾経営、サッカーチーム養成、ミニ図書室の設置、情報誌発行、イベントの企画などを手掛けている。
 今、出稼ぎ子女教育で一番問題になっているのは十三歳の子供。親が日本へ出稼ぎにいき、初等教育を終えるためブラジルに残された世代だ。ブラジルに取り残され、何らかの問題を起こした十三歳の子供が親のいる日本へ呼ばれる。十三歳といえば日本では中学一年生に当たる。
 十五歳になるのを待って仕事に就く。こうした十三歳の子供は四世が多く、現在増えている。 同コミュニティーでコーディネーターを務めている松原マリナさん(日系人)は、「出稼ぎの子供たちは日本語ができないため、日本の学校になじめない。彼らは家の中ではポルトガル語を話している。
 親は仕事で疲れており、満足な家庭教育も施すことができない。そのため日本の子供たちに大きな差をつけられてしまう。高校に進学する人はまれで、ほとんどが就職する」と、在日日系十三歳の深刻な現状を報告した。
 西洋では、十四歳の少年に不可能という言葉はない、と言う。十四歳の少年はどのような分野にも、どのようにも伸びていける人生の中で最も大事な人格形成期に在る、という意味だろう。
 この重要な人格形成期に、多くの日系十三歳は劣悪な教育環境下に置かれている。同コミュニティーとともに来伯した姫路市国際交流協会の岸健朗さんは、「これは大きな社会問題であり、日伯両国政府による政治的解決も必要だ。
 政府は責任を感じてほしい」と訴えている。コミュニティーの吉富代表は、「日本へ出稼ぎにこられる方は、お金もうけだけではなく子供の教育のことも考えてほしい。出稼ぎの子女教育を充実させるには、日本側の教育環境を変えなければできない。
 ボランティアの限界を越えている。事業化して本腰を入れて取り組まなければならない問題と考え、専門家による組織をつくりました」と説明、「日系人子女が日本語かポルトガル語のどちらかで少なくとも義務教育を受けることができるようになること」を目指している。吉富さんは多言語センター・ファシルの代表も兼務している。